積立NISA 期間について ※その他(確定拠出年金401K)
政府・与党は積み立て型の少額投資非課税制度である「つみたてNISA」非課税期間を延長する(予定である)。
確定拠出年金も拡充する(予定である)。
これらは今年もいよいよ年末ということで、年末にまとめる2020年度与党税制大綱に盛り込まれる片鱗が見えてきたということです。昨日、与党である自民党・公明党の税制調査会がそれぞれ総会を開きました。今後、続々と来年度の新税制の制度設計が見えてくることになるわけですが、税制改正大綱に盛り込まれたら「ほぼ確定」ということになりますが、まだ話し合われている内容というくらいで、確定というわけではありません。
税制改正大綱というのは、「来年度(以降)はこういう税制になっていきますよ」という方針のようなもので、与党が作成し、今年中に閣議決定されて来年1月の通常国会を提出されます。与党法案は通常国会を特に何事もなければ通過しますので、大綱に盛り込まれた内容はほぼそれで決まるということです。
今はこれをまとめている段階なのですね。で、今話し合われている内容が、
・スタートアップへの出資など新規分野への投資に税優遇
・経営者保証がいらない信用保証制度を新設
・ポスト5G推進のため基地局整備費の一部を税優遇
・高齢者の運転事故対策
・つみたてNISAの期間延長
・確定拠出年金の拡充
などあって、こうしたことが盛り込まれる予定です。
そもそも「つみたてNISA」の期間延長という話って1か月前にもあったような気がしますが…、今回は本格議論されているようなのでそのまま盛り込まれることを望みます。どういうようになるかというと、
<つみたてNISA>
・原則としていつ始めても20年間、非課税になるよう改める
(制度利用開始の期限は2037年末まで)
<確定拠出年金>
・企業型は70歳まで、個人型は65歳まで拠出期間を延ばすことができる
詳細はまだまだ見えてこない部分もありますが、ザックリ言いますとこういう感じです。
さて、こうした制度の充実は歓迎でしょう!そもそも将来の年金は先般の財政検証においても目減りする可能性は非常に高いということは示されたわけですし、そのために若い時からコツコツ積み立てしましょう。これが目的であって、制度(何で行うか)は手段だ。手段が充実することは、これはいいことだ。
私たちが資産形成をする(担当者視点では啓蒙する)本当の理由は、これは結論からいうと、日本の社会保障制度がほころびを見せ始めているからです。
日本の年金制度は1940年~1960年にかけて設計されていくのですが、このころの日本人の平均寿命は男性が63.41歳、女性が67.69歳です。60歳から年金受給がスタートしても、男性が受け取れるのは、平均でわずか3年程度にすぎなかったということです。今の日本の平均寿命は男性が81.09歳、女性87.26歳、80歳を超えてきている状況です。こうした中では、公的年金の受給開始年齢が引き上げられるのは当然ですし、「世代間扶養」という制度設計では、国も今のままでは公的年金の未来が厳しいということをわかっているのです。
子どもの出生数は減少し、高齢者の数は確実に増えていく少子高齢化という社会では、どういうことが起こるかというと、現役世代の社会保障負担の増加と高齢者世代の受給できる社会保障費の減少です。
こうしたことを回避するには、皆さん自身で若いうちからコツコツコツコツと資産を形成していく必要がある。老後の「あんしん」は自分たちで作ってくださいということです。現役世代の負担を減らしつつ、将来の「あんしん」を各自で確保できる仕組みを国が用意しました。それが、非課税制度や所得控除が取れる「NISA」や「確定拠出年金(iDeCo)」です。
基本的に、運用の世界においての格言で「国策に売りはなし」というものがあります。なので、NISAにせよiDeCoにせよ、使えるなら使ったらいいのだと思います。で、保険を含めたこれら「手段」は、何を使うのか、いくらにするのか、それで何を達成するのか(目的)を共有する。これがアドバイザーの役割だと思うのです。