TAK's ブログ

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保障と資産形成

今日は、「保障と資産形成は切り離せない」というお話しをしましょう。ここは非常に強く申し上げたいところなので、改めて読んでみてください。

以前、私がセミナー講師を務めた際のアンケートに「資産形成として、NISAやiDeCoがいいということは分かったが、なぜ最後に保険の話!?」というニュアンスのご意見をいただいたことがありました。

皆さんの中で、セミナーを実施された方も受講された方でも感じるところで、我々の行うセミナーというのは、「生存時のより良い資産形成&運用の手法」を説き、「保障確保の重要性」という2段構えの構成であるはずです(逆にそれ以外のセミナーのほうが少ないでしょう)。

なぜか。それは我々は「保険」という商材でのキャッシュポイントがメインであるから。 保険代理店所属のFPがセミナーを実施すれば(一部、住宅ローンなどのフィービジネスセミナーもあるが)、ここに異論はないでしょう。私もセミナーの講師をして長いので若かりし頃は、セミナーで前半に散々、資産形成の重要性を説いて、後半で保険の話をすることに、自分自身で違和感を感じることもありました(なので、上記のようなアンケートもうなずける)。

しかしながら、私は最近自分にしっくり来る「答え」が見つかっている。それは、そもそも「保障と資産形成は切り離せないものなのだ」というシンプルなもので、セミナーにおいて「資産形成と保険」という流れは、それこそ当たり前であり、必然なのだと感じています。

それはなぜかというと、お客様が資産形成や運用をしていくために必要なことは何なのかをシンプルに考えてみましょう。それは、

  • 勤労
  • 資産形成・運用(貯蓄)

この順番であるからです。つまり、資産形成・運用には、第一義に「勤労(つまり収入)」がなければそもそも運用とか投資とかできないのです。もう一度同じことを言います。

第1番目としては、まず勤労であり、

次にくる2番目として、資産形成・運用なのです

ということは、第2順位の「資産形成・運用ができなくなるとき」はどんなときなのか。それは第1順位の「勤労」ができなくなるときでしょう。つまり、勤労ができなくなるとき(働けなくなるとき)はどんなとき?って考えると、

  • 就業不能状態(病気やケガ)
  • 死亡・高度障害時

です。何を当たり前のことを言っているのかという突っ込みがあるかもしれませんが、こういう当たり前こそお客様は理解されていないことが多く、中には、我々が保険を取り扱っているから保険の話をしているのだなと勘繰ってしまうお客様がいらっしゃることも事実でしょう。

そうではない、ということをきちんと担当者がまず咀嚼し、伝えていかなければならない。

私たちが資産形成・運用する、そのベースメントにある第一順位は「勤労(収入)」なのです。これがなくなったら、運用、資産形成どころではないのですと。だから、「保障と資産形成はセットで考えるのです」と。

こうもお伝えしましょう。

「今、老後資産形成についてご不安というお話しがあって、その手段(方法)についてお話ししていると思います。人生の3大資金では住宅資金、教育資金、老後資金とありますが、中でも老後資金というのは特徴が他と異なります。それは、『人生の終わる時期と終わり方が自ら選択できない』ということであり、いくらかかるか分からないというものだからです」

「長寿に蓋をすることはできず、人は確実に長寿になっているのです。老後資金において、保障と資産形成は切り離せないのです」

シンプルな話ですが、これが真実だと思います。

商品ではなく、考え方のセットアップをしてあげれば、お客様も(担当者も)きっと自走してくれますね。

以上です。

企業年金について

まずは国の年金制度の理解が不可欠

今回は企業年金について整理しておきましょう。企業年金を理解しようとすると、やはり、老後に受け取る年金制度の仕組みを把握しておく必要があります。

日本の年金制度は3階建てと言われますが、まず、日本の年金制度のベースとなる1階部分が「国民年金」です。これは20歳以上のすべての人が共通して加入する年金制度で、「基礎年金」といわれますね。すべての国民(もちろん受給資格を満たしている人)に給付する共通の公的年金と考えるといいでしょう。

次に、会社員や公務員が加入する年金制度で2階部分となる「厚生年金」です。被用者年金とも呼ばれますね。そして3階部分として、「企業年金」という会社独自の年金制度があり、この他に自営業者や農業者には基礎年金を補完し上乗せ給付を行う制度として、iDeCo国民年金の付加年金や国民年金基金、農業者年金等があるのです。

・1階部分…基礎年金

・2階部分…被用者年金

・3階部分…企業年金

この整理が分かりやすいと思います。

そもそも企業年金というのは企業が従業員のために用意した退職給付制度ですよね。 この記事を書くために私も調べたのですが、 この退職給付制度の源流とは、江戸時代の商家で使用人の独立時などに行われた「のれん分け」にあるといわれているそうです。明治期以降、熟練労働者の足止め策の一つとして定年退職時に一時金を支給する退職一時金制度が普及・慣行化していき、企業年金の原型ともいえる「厚生年金基金、適格退職年金」などが創設されていきます。

ただ、皆様ご承知のとおりバブル崩壊などを経て、少子高齢化の進展とか、経済・運用環境の低迷などあり、企業年金を取り巻く環境は大きく変動し、適格退職年金は廃止、厚生年金基金は再編(正確には、厚生年金基金は新設が認められなくなり、健全な基金厚生年金基金としての存続が認められているものの、解散または他の企業年金制度等への移行を促されることになっている)されてますね。

そして、企業年金は現在の形成になっていて、

確定給付企業年金の枠組みとして

 →厚生年金基金

 →確定給付企業年金(規約型)

 →確定給付企業年金基金型)

・確定拠出企業年金と枠組みとして

 →確定拠出企業年金(401k)

・(企業年金ではないが)個人の枠組みとして、

 →個人型確定拠出年金iDeCo

となっています。

確定給付企業年金(DB)は、給付額があらかじめ決まっていて運用が悪化した場合には企業側が積み立て不足を負担する仕組みですから、日経が報じていますが、長寿化にともない、企業側の負担が大きくなったしまうようなことも発生するのですね。

選択制確定拠出年金では厚生年金の受給額が下がるというデメリットも

他方、確定拠出企業年金(DC)は、従業員が自ら運用し、運用次第で給付額が変わります。なのでリスクは従業員が負担することになりますね。DCの掛け金ですが、基本は企業が拠出し、従業員が自己責任で運用するのですが、ここに、「選択制確定拠出年金」「マッチング拠出」があるという整理になります。

選択制確定拠出年金というのは、よく「ユニクロ型」とか呼ばれます。選択制確定拠出年金は、その名のとおり選択制ですから「希望者のみ」加入者とすることができるので、社員の意思を尊重できる制度です。給与を原資に掛金が拠出されるため、新たな掛金の財源は不要ですし、何よりいいと言われるのは、社会保険料が削減できるということでしょうか。

ただ、デメリットは社会保険料が削減されるので、老齢厚生年金の受給額が下がります。

マッチング拠出という制度は、企業型確定拠出年金の加入者が企業掛金に、自分で掛金を上乗せできる制度です。 ただ、選択制確定拠出年金のように給与を減額して拠出するわけではないので、社会保険料の削減ができません。自分で上乗せした掛金は所得控除の対象ですから、所得税、住民税の節税はできますね。

・選択制確定拠出年金

 →社会保険の削減〇 所得税住民税の節税〇 

 →本人掛け金…55,000円

・マッチング拠出

  →社会保険の削減× 所得税住民税の節税〇 

  →本人掛け金…企業掛金が27,500円未満の場合、企業掛金が上限。

  企業掛金が27,500円以上の場合、55,000円と会社掛金の差額が上限。

以上です。

確定拠出年金受け取り時、税優遇について。

確定拠出年金における受取り時の税優遇はケースにより異なる

今日は、確定拠出年金の受け取り方についてお話ししてみたいと思います。先日、おる方から「企業の規約でiDeCoに加入することができなかった会社員が、今後加入できるようになるとすると、退職一時金がある企業であれば、受取り時に結構な税金がかかるということになりませんか?」という質問をいただきました。

そのとおりで、確定拠出年金(401K、iDeCo)における3つの税優遇である、

  • 積立時(掛け金全額が、小規模企業共済等掛け金控除の対象になる)
  • 運用時(運用益が非課税)
  • 受取り時(一括の場合は退職所得控除、分割の場合は公的年金等控除)

これらのうち、積立時・運用時はいいのですが、3つ目の受取り時の税優遇というのは、お客様に退職時の一時金があるかないかなどにより税金のかかり方が変わってきてしまいます。いくつかケースを挙げてみていきたいのですが、まずは、

・退職所得の計算

・退職金の源泉徴収の計算

から確認してくことにしましょう。

勤続年数20年までは40万/年、それ以上の分につき、70万/年

<退職所得の計算>

退職所得の金額は、原則として次のように計算しますね。

・(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

ここは皆さんよくご存知でしょう。で、退職所得控除の計算式ですが以下のようになります。

出所:国税庁
※勤続年数(=A)は1年未満の端数は1年に切り上げ

この計算式をそのまま覚えてもいいのですが、「勤続年数20年までは40万/年、それ以上の分につき、70万/年」と覚えるといいと思います。

例えば勤続年数10年2か月の人の場合、退職所得控除の計算は40万円×11年(2ヵ月は1年に切り上げ)=440万円。勤続年数が30年の人の場合、退職所得控除の計算は、800万円+70万円×(30-20)=1500万円となります。

仮に、勤続30年で退職金の額として2000万円受け取れる方がいらっしゃったとします。この場合、

(2000万円-1500万円)×1/2=250万円

となりますが、この250万円は退職所得であり、原則として他の所得と分離して所得税額を計算しますよね。

ちなみに、退職金等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職金等の支払者が所得税額及び復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため原則として確定申告は必要ありません。一方、「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人については、退職金等の支払金額の20.42%の所得税額及び復興特別所得税額が源泉徴収されますが、受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額及び復興特別所得税額の精算をします。

上記、申告書を提出しているか否かで若干フローは異なるのですが、この課税退職所得金額250万円(千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額)から、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は、次の速算表を使用すると簡単に求められます。

出所:国税庁
※求めた税額に1円未満の端数があるときは、これを切り捨て

つまり、(250万円×0.1-9.75万円)×1.021=155,702円。これが源泉徴収税額となります。ここまでは、FPとしては最低限頭に入れておきたいところです。

拠出期間が、退職所得控除を計算する際の勤続年数に該当

ここからが本題です。確定拠出年金の受け取り方の違いによって、税金はどう変わるのでしょうか。

<ケース1> 60歳で確定拠出年金のみを一括受取りする場合

まずは、最もオーソドックスなケースです。例えば企業型401Kで10年間拠出し、その後、5年間iDeCoで拠出したとします。確定拠出年金の積立を15年間継続してきたという事例です。60歳時点で積み立てできたいた資金は700万円とします。

この場合、利用できる退職所得控除は確定拠出年金の継続年数が15年ですから、600万円(40万円×15年)です。この場合、前述したとおりに計算式に代入すると、課税退職所得50万円。(50万円×0.05)×1.021=25,525円ですから、源泉徴収される金額はわずか。住民税もかかりますが、ここでは割愛します。

ここで注意したいのは、あくまで確定拠出年金における拠出期間が、退職所得控除を計算する際の「勤続年数」に該当するということです。昨年の税制改正大綱で、iDeCoについては拠出期間が65歳まで、企業型401Kについては70歳まで延長される見込みですが、拠出期間=退職所得控除の勤続期間です。例えば、65とか70歳まで運用のみを行うために据え置いていたとしても、60歳までしか積み立てをしていないのであれば、退職所得控除は変わりません。

また、仮に、確定拠出年金を66歳くらいまで据え置き、一括で受け取るときにその他の年金収入があったとしても退職所得なので分離課税です。そのためその他の所得とは合算されません。

<ケース2> 60歳で複数の退職金(退職一時金と確定拠出年金)を受け取る場合

次に、同じ年に退職一時金と確定拠出年金といった複数の退職金を受け取る場合を考えてみましょう。同じ年に複数の退職金がある場合、これら複数の退職金を合算し、合算後の1つの金額に対して退職所得控除を適用します。それぞれの退職金に対して退職所得控除が適用されるわけではありません。そして、退職所得控除の勤続年数は最も長い勤続期間の年数を、勤続年数として適用します。仮に、最も長い勤続期間=Aとすると、例外的にA以外の期間のうち、Aと重複しない期間がある場合には勤続期間の算定にあたって、重複しない期間をAに加算することができます。

国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2735.htm

例えば、今、会社からの退職一時金が1000万円あり、勤続年数は23年です。会社でやっていた確定拠出年金(401K)は500万円で、こちらの勤続年数は10年でした(重複しない期間なし)。そうすると前述のとおり、合算されますから、合計1500万円が退職金であり、退職所得控除の勤続年数は23年で計算します。

そうすると、800万円+70万円×(23年-20年)=1010万円ですから、退職所得控除は1010万円ということになります。課税退職所得は(1500万円-1010万円)×1/2=245万円であり、源泉徴収税額は15万ちょっとくらいです(住民税は別)。

これでもですが、できれば15万円の税金も引き下げたいところです。何か方法はないのでしょうか。

退職一時金は一括 で、確定拠出年金は分割で受け取るとどうなるか

そこで、退職一時金は一括で受け取り、確定拠出年金は60歳から65歳までの5年間で、年間100万円ずつ取り崩します(65歳から公的年金受給予定)。

こう考えると、退職金を一括で受け取ると退職所得控除が1010万円なので、ここには税金がかかりません。確定拠出年金を分割で受け取るとなると、ここには公的年金等控除が適用されます(100万円の分割受け取りには、話を簡易にするため運用益は加味せず)。

公的年金等控除の制度は、65歳未満と65歳以上で計算式が変わりますが、令和2年分から変わっているので注意が必要です。

国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

つまり、このケースでの毎年の源泉徴収額は毎年20,420円×5年間=102,100円になるので、両方を一括で受け取る場合よりも税金面で有利になることが分かります(年金はその他の収入があれば合算され総合課税されるので、その点は注意。今はその他に収入がないものとする)。

<ケース3> 65歳から受給する公的年金を70歳に繰下げ、確定拠出年金を分割受け取りする

今後は、このケースも増えてくるかもしれません。公的年金の繰下げ受給を選択している人は、年金を受給している人のうち、わずか1%程度といわれています。どうしてこんなに少ないかというと、もちろん「もらえるものは早くもらいたい」という考え方もあるのかもしれませんが、「加給年金⇒振替加算」が関係しているという意見もあります。公的年金は70歳まで繰上げすると42%増額されます。ここは覚えておいておくといいでしょう。

 

 

今、確定拠出年金の積立が1000万円程度あり、ほかにも十分な貯蓄はあるので、生活費に組み込むため確定拠出年金は年金形式での受け取りを希望しているお客様だとします。60歳からの年金形式と65歳からの年金形式ではどちらが有利かを考えてみましょう(以下の公的年金等控除の計算は、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合)。

前述のとおり、公的年金等控除は65歳未満と65歳以上で計算式が変わります。仮に、60歳から1000万円を10年間、100万円ずつ取り崩したとします。そうすると、

・60歳~65歳未満…ここの源泉徴収税額は毎年20,420円×5年間=102,100円

・65歳~70歳未満…ここは0になります。

なので、10年間のトータルは102,100円ということになります。では、65歳から1000万円の資金を5年間、200万円ずつ取り崩すとどうなるでしょうか。

・60歳~65歳未満…取り崩しなし

・65歳~70歳未満…ここの源泉徴収税額は毎年45,945円×5年間=229,725円

なので、10年間のトータルは229,725円ということになりますので、10年間で取り崩す場合のほうが有利になるケースもあるかもしれません。実際は、60歳~65歳までは据え置いているので、もっと年額が増えているケースもあるかと思います。10年年金で受け取る場合の増額分と、据え置きの増額分も加味して考えていくことになるでしょう。

以上です。

バイ&フォーゲット

皆さんは「バイ・アンド・フォーゲット」という言葉をご存知でしょうか? 似たような言葉に「バイ・アンド・ホールド」というものがありますが、これは買ったまま売らないということですが、バイ・アンド・フォーゲットは「買ったことを忘れる」という意味ですね。以前、「さわかみ投信」の澤上篤人氏がおっしゃっておられた言葉で、長期投資を促すときに使われたものです。

長期投資は忘れるくらいが調度いいということですね。

もちろん、長期投資できる銘柄・商品選択は重要な視点ですから、「世界のマーケットに分散している」「コストが低い」中で、積立投資する。そして「バイ・アンド・フォーゲット」。こうしたことは、確定拠出年金iDeCo)などでも可能でしょう。

 

ただ、株式などの現物投資はもちろん、特定口座(つみたてNISAでも)投資信託などを購入した場合にはそうはいかない。なぜなら、そこにはフォーゲット(忘れる)ことができない心理がはたらくからであり、これは「プロスペクト理論」を考えても納得できるところです。

プロスペクト理論」ってご存知でしょうか?
これは行動心理学のひとつです。人はいかなる場合も合理的な行動をする生き物だと思われてきましたが、実はそうでなく、様々な心理状態によって非合理的な行動をとることがあるというもの。

これを投資の世界でいうと、「人は損をするのを嫌い」ということで、「損得が絡むと非合理的な行動をとる」のですね。得するより損する方が感情に影響を与えるわけです(調べると色々出てきます)。

 

以下は、私個人が投資をしていて、私の個人的な見解としてお読みください。

私は「つみたてNISA」であれば、S&P500をベンチマークするものを購入していて、今後も非常にいいと思う。私は変額保険も購入しているので、そちらは外国株式(MSCIコクサイ・インデックス)のベンチマークなので、そことの「すみ分け」もつく。あと日本株のアクティブファンドも購入している。

・S&P500…米国の株式
MSCIコクサイ・インデックス…日本を除く、世界の先進国株式
・日本のアクティブファンド

こういう感じで保有していて、具体的にはS&P500をベンチマークする投信として、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」があります。

S&P500は、スタンダード・アンド・プアーズ社が選定している米国主要500社の指数です。NYダウは銘柄で30種(なので30社)ですが、500社に分散されているので、業種に偏りもなく構成もいいです。ちなみに、ナスダックというの半導体関連やハイテク企業の影響を大きく受けます。

過去推移を見ていただいても分かりますが、S&P500は、きれいな右肩上がりの推移です(なので、日本のTOPIXとは大違い)

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、運用開始してわずかなので、参考とするのはS&P500をベンチマークするETFで見てみると、5年の平均利回りでも10%を超えていて、あまり知られていないのですが、過去のデータを分析してみると、S&P500は過去のどの15年間をとっても年利4%以上の高いパフォーマンスを出しています。

なんでこんなことになるかというと、それはS&P500の選定基準に理由があって、いくつか選定項目があるのですが、その一つに、「直近の四半期および直近の連続4四半期で利益が黒字であること」というものがあります。

つまり、直近黒字の優良企業に絞っているということですね。

よくS&P500とVTI(バンガード・トータル・ストックマーケットETF)が比較されることがありますが、S&P500は、米国500種の株式ですが(なので比較的大型)、VTIは米国の株式の大型、中型も含めて、3600種の株式銘柄に投資できるというものです。

日本で購入できる投信でいうと、
楽天全米株式インデックス・ファンド

ですね。

ライフプランニングの必要性

私は普段、「金融実務に関連するコラム」を書いておりまして、ここには(少なくても自分では)ある種の規制みたいなのがあると思っていて、簡単にいうと「とがったこと」は書けないわけです。

でも土日はこの配信がなく、少しだけ自分が考えていることを書けたりする。

で、私はファイナンシャルプランナーの仕事の中に「ライフプランニング」というものがあります。これは将来の収支表みたいなもので、子どもの進学とか、将来の車の購入とか、旅行とか、そういうものを入力して、お金の流れの「見える化」をしますね(表題の写真のようなものです。写真はサンプル)。

なので、ご主人様の収入予測、奥様の収入予測。そしてご家庭の支出や夢・叶えてきたいことを聞いて、それをプロットして、その結果貯蓄(ストックポジション)がどう変化するかを見るわけです。

でも、これって意味ある?

そもそも30年先の未来の収支表って、ほんと?って思うことがあるのですね。
インフレ率も分からない、ご主人の収入だって、終身雇用は崩壊し、3年後同じ仕事しているかどうかも分からない。奥様はどんな働き方をしているかも分からない。旅行もどこにいくかも分からない、支出なんてもはや不明・・・・。

で、これで「将来不安ですね…」って。。

私はファイナンシャルプランナーが行う「ライフプランニング」というのはあくまで、顧客と人生を一緒に歩んでその時間軸の中で適宜修正していくものだと思うのね。だから、金融商品販売も、業者側の理論で加入するものでもなく、お客様が人生を歩む中で、お客様の「機会」が発生するとその時適したものをご提案する。これがLTV(ライフタイムバリュー)を高めるということでしょう。

では、ライフプランは不要かというとそうではなく、手書きで、マクロの視点で俯瞰する程度でいいと思う。それで、「今、間違いない第一歩を踏み出す(アクションする)」ことなのです。

一般財形貯蓄/財形年金貯蓄/財形住宅貯蓄について

今回は財形について。地味に問い合わせが多く、結構な割合の世帯が財形を行っているのではないかと思います。

財形というのは、「勤労者財産形成貯蓄」の略です。日本語というのは、言葉の中に答えがあって、「勤労者」つまり会社員(公務員含む)のためのもので、事業主に雇用されている人のための制度です。なので、会社役員や自営業者などは勤労者でないので、加入することはできません。

簡単にいうと、企業が従業員の貯金に協力するために設けられた制度と考えるといいでしょう。そもそも社会人になりたての時は、どのくらい貯金して、どれだけ将来のために残しておくかなんてわからないという意見もあって、「将来のために貯蓄制度を会社が用意しているから、利用しないさい」ということで、広く普及したのだと思います。

『財形』と一括りにしていますが、ご存知のように財形には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つがあって預け入れ先の金融機関や金融商品によって「貯蓄型」と「保険型」に分かれます。

・保険型…保険会社等が取り扱う。保険商品で積み立てる。
・貯蓄型…銀行や証券会社等が取り扱う。預貯金や公社債投信、株式投信等で積み立てる。

それぞれ非課税限度や目的なども異なりますので、まずはお客様が何型(つまり金融機関)で、一般か、年金か、住宅かということを確認します。

勘違いされている方も多いので記しておきますと、一般財形というのは財形年金や財形住宅のような税制上の優遇措置はありません。「財形=非課税」という印象があるようで、ここは間違えないように理解しておきたいですね。

一般財形は「目的を問わず、引き出しや解約は自由(1年以内は払い出しできない)」です。財形年金や財形住宅と併用することも可能です。「税金もかかる(20.315%の源泉分離)のに、意味があるの?」という疑問があるかもしれませんが、一般財形は若干高めの金利が適用されていますから、「(1年後には)流動性もあって、定期くらいの利子がつく」という点で利用されていると考えるといいでしょう。

「財形年金貯蓄」は老後資金作りのためのもの、「財形住宅貯蓄」は住宅購入資金を作るためのものという目的が違いますが、この2つには「要件」があります。ここでは詳細は割愛しますが確認しておいてください。

両者は一定額までは、20.315%の源泉分離課税が非課税となりますね。
・財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄で、貯蓄型の場合は元利合計550万円
・財形年金貯蓄の場合で、保険型の場合は元本385万円まで非課税
(一定の理由を除いて、それぞれの目的以外で引き出す場合には課税されます)

あと、ここも押さえておきたいですが、財形貯蓄の利用で融資を受けることができますね。「財形貯蓄残高×10倍」と4000万円のいずれか少ない金額です。

金融機関や利用する金融商品金利なども異なるので、詳細はお客様が現在利用している内容をしっかり把握することですが、こうした情報提供をしっかりして財形について話せていけるいいですね。

以上です。

iDeCoプラスとは

今回は「iDeCoプラス」について。個人面談で相談を受けることは少ないかもしれませんが、セミナーなど実施すると質問などもあるかもしれないので取り上げておきましょう。

iDeCoは個人型確定拠出年金です。略称も改めておきますと、「老後のために今できること」で「イデコ」ではなく、女の子の名前でもなく(汗)、「individual-type Defined Contribution pension plan」です。

で、「iDeCoプラス」とは何かというと、これは「中小事業主掛金納付制度」の名称ということになるのですが、簡単に言いますと、すでにiDeCoに加入している従業員に対して、事業主が掛け金の一部を「補助」する制度というと分かりやすいかもしれません。2018年の5月くらいからスタートしている制度です。

先週日経新聞などでも取り上げられていましたが、これはなぜかというと、これまでの制度では「従業員100人以下」の中小企業が対象だったのですが、これが「従業員300人以下」に広げることになったためです。

制度の仕組みとしては、以下のようなものです。

<事業主の要件>
企業型確定拠出年金確定給付企業年金および厚生年金基金を実施していない事業主で、従業員100人以下の事業主。ここが今後300人以下の事業主に変更される方針です。

<拠出対象者>
iDeCoに加入している従業員のうち、事業主掛金を拠出されることに同意した加入者がiDeCoプラスを利用できます。iDeCoプラスはiDeCoの加入者だけを対象としています。企業がiDeCoプラスを導入しても、社員がiDeCoへの加入を強制されるわけではありません。

<掛け金>
加入者掛金と事業主掛金の合計額は、月額5,000円以上から上限23,000円までの範囲で、加入者と事業主がそれぞれ1,000円単位で決めることができます。加入者掛金を0円とすることはできませんが、事業主掛金が加入者掛金を上回ることはできます。なので、事業主掛金は役職などで金額の差をつけるといったこともできますね。

例えば、
・個人:1000円 会社:3000円 これは×。5000円に達していない
・個人:21000円 会社:3000円 これも×。上限を超えているので、個人か会社で調整する
・個人:2000円 会社:3000円 これはOK。2000円でiDeCoに加入できる

**<税制メリット>
iDeCoプラスは事業主としては、会社負担分全額が損金(経費)となり、加入者掛金は個人負担分が小規模企業共済等掛金控除となります。ここが非常に重要ですが、企業は補助した分は損金(経費)扱いになりますが、個人の側面においては税控除が減るということになります。

<手数料>
iDeCoプラスの手数料か加入者(つまり従業員)が負担します。

<運営管理機関>
企業型の確定拠出年金では運営管理機関(金融機関)は企業が指定するので自由に選べませんが、iDeCoプラスはiDeCoと同様に加入者が自由に金融機関を選べます。**

以上です