TAK's ブログ

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「リ・バース60」の登場によるリバースモーゲージの変化は

最近、面談でリバースモーゲージを気にされているお客様が増えたような気がする。実際に融資額が伸びていて、ここには2017年に導入された「リ・バース60(ノンリコース型)」が大きく影響を受けているようです。

「調べてみる価値あり」ということで、今日はその話題。

そもそもリバースモーゲージという金融商品を大手銀行が取り扱い始めて、もう、十数年は経過していると思う(私が出版社にいたときなので、約15年くらい前であるはず)。ただ、全体の融資残高が1千数百億円程度にとどまっているというように、人気がでなかったのです(売れなかったわけ)。

リバースモーゲージというのは、ご存知の方も多いと思いますが、住宅を担保に銀行が融資して、契約者の死亡時に不動産を売却処分して融資を回収する仕組みですね。発売当初は、自宅を手放すことなく老後資金を準備できるという話で、(欧米では普及しているスキームだけに)話題性はありました。しかし、このリバースモーゲージが日本で定着するには大きなハードルがあったのですね。

これが売れなかった最大の理由。それは日本では中古住宅の資産価値が著しく低い。つまり、お客様からすると自分の希望する額の融資を受けることができなかった(場所によっては、そもそも融資を受けれなかった)ということです。ここはFPとしては覚えておきたいですが、日本では住宅の建物部分(木造)であれば、22年を超すと資産価値はゼロ。土地しか評価されないわけで、当然銀行は、土地だけなので(評価額も大きく変わる可能性があるので)融資額は絞る。また、地価の安い地域は融資対象から外す。

しかし、ここにきて市況が大きく変わってきている。住宅金融支援機構が金融機関と保険契約を結んで融資するリバースモーゲージ「リ・バース60(ノンリコース型)」が伸びているようです。2018年度の融資実績は4~9月の半年で16.5億円と、既に17年度の約2倍。2018年度通年では30億円を超す可能性が高く、国内のリバースモーゲージ残高の3%程度を1年で達成した水準です。

 

「リ・バース60」というのは、どういう商品性かというと、従来型のリバースモーゲージと自宅を担保に融資を受けて最後に担保売却で返済という仕組みは同じですが、死後の手続きが異なる。

従来型は、従前に担保評価して融資した額と、死後の担保価値に(下落して)差額が生じた場合、この下落リスクは、相続人が差額(残債)を返済する必要があるが、リ・バース60(ノンリコース型)は、機構が保険金で金融機関に残債を払うため、金融機関ではなく機構が担保価値の下落リスクを負う。つまり、相続人が返済する必要がないのだ(ノンリコースというのは残債務を請求しないという意味)。
あと、従来型のリバモが地域を限定していたが、「リ・バース60」は全国の物件を幅広く引き受けている。

もちろん、ノンリコース型はリコース型に比べて機構が負うリスクが大きい分、金融機関が払う保険料は高いです。ただ、リコース型(残債務を請求するという意味。なので従来型のリバースモーゲージ)とノンリコース型で比較すると融資実績の89%をノンリコース型が占めているのだとか。

注意点は、従来のリバースモーゲージで受けた融資は、使い道は自由でしたが、「リ・バース60」では使い道は、「住宅関連」に限られるという点。住宅のリフォームや建て替えの計画があれば有効ですね。


最近面談をしていて感じることがある。代理店の担当者とは金融機関の「販売代理」なのか、それとも、お客様の購買を手伝う「購買代理」なのか。

後者であれば知識習得が必須なのだ。

以上です。