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住宅ローンについて(銀行視点で考える)

住宅ローンについて解説してみましょう。住宅ローンの「仕組み・金利の決まり方」は一度覚えてしまうと、年々変わっていくというものでもないですし、(一定数、経済の理解は必要ですが)非常に有効だと思います。

もちろん、金利の決まり方は複雑です。ただ、保険にせよ住宅ローンにせよ、お客様にとっては長期の契約を強いられることになるわけで、これを「分からない」⇒「分かる」に導くプロセスは、まったく同じだと感じます。また、ライフプランを語るうえで「住宅」という要素は外せないものであるにも関わらず、FPとして住宅ローンは解説しないというのも違和感もあります。

今日は簡単に住宅ローンの金利(固定金利・変動金利)をおさらいしましょう。

住宅ローンは大きくわけると、固定金利・変動金利ということになるわけですが、固定金利は「長期金利(10年物国債利回り)」を基準にして決まり、長期金利は、基本的に「市場の原理・市場予測(リスクプレミアム・潜在成長率・期待インフレ率など)」で決まります。そのため、基本的にはコントロール不可能といえます(ここを今の日銀は、30年・40年などの超長期金利短期金利でコントロールする政策なので多少の違和感があるかもしれませんが)。

他方、変動金利は「政策金利」である「短期プライムレート(無担保コール翌日物)」に連動し、これは基本的には政府が決めています。

固定金利と変動金利は基準としている金利が異なるわけですが、これらは「決定権者」が違うというのが大きな点です。

ここで、お客様にはこんな疑問が沸くでしょう。

長期金利の基準となる「10年物国債利回り」も0%、変動金利の基準となる「短期プライムレート」も0%。同じ0%なのに、なんで変動金利と固定金利は「倍」くらい差があるの?』

大前提、私たちに適用されている住宅ローン金利は「基準金利金利引き下げ幅」で決まります。
この基準金利ですが、これは住宅ローンの「定価」です。家電量販店で、「定価から〇割引!!」というイメージで合っています。ややこしいのが、基準金利と店頭金利という二つ言葉。これは基本的に同じです。

・基準金利⇒ネット銀行がよく使う「定価」の表現
・店頭金利メガバンクなど金融機関がよく使う「定価」の表現

ここまではいいですよね。私たちに適用される住宅ローン金利(これが適用金利とか優遇金利とか言われる)は、基準金利(店頭金利)―金利引き下げ幅で決まる。問題はこの基準金利(店頭金利)です。

基準金利という言葉だけに、「長期金利」「短プラ」が採用されていると混在しがちですが、ここに銀行の「経営」の利ザヤを乗せて、決まるのです。

住宅ローンは私たちからすると銀行からお金を借りている行為ですが、実は銀行から見てみると、銀行も私たちに貸し出す資金を外部から借りてくる(資金調達する)わけです。そして銀行だって「お金を借りたら利息を払う」のです。

簡単にいいますと、固定や変動でなんで金利の決まり方が複雑か。それは「銀行が借りてくる場所(資金調達するところ)」が違うからなのですね。では銀行はどこからお金を借りてくるのでしょうか。それは大きく2つです。

・預金(私たちのお金、法人の預金も含む)
・日銀

です。

変動金利は元になる金利は「政策金利(短期プライムレート)」。日本はゼロ金利政策ですからこの政策金利が0%に抑えられていますし(実際には0.10%)、固定金利長期金利(10年物国債)に連動するわけですが、ここに連動するものとして「預金金利(0.001%)」があります。

つまり、
住宅ローン金利(基準金利)=「預金・政策金利:0.001%~0.100%」+「銀行の利益+運営コスト」
で決まるということです。

銀行の運営コストとは、人件費、店舗費用、広告宣伝費などですが、では上記の「銀行の利益+運営コスト」を各銀行の好き勝手に決めて住宅ローン金利を決定したとしても、他の銀行と比較して優位性がなければお客様は申込しないですよね。なので、住宅ローン金利は、競合する銀行の金利とのバランスの中で最終的な金利が決定されることになります。

銀行も経営。住宅ローンは銀行の商品。この視点が大事ですね。

以上です。